生活習慣病

脂質異常症(高脂血症)といわれたら

健診などで、脂質異常症を指摘された経験をおもちの方は多いと思います。

脂質異常症自体は自覚する症状がないため、そのまま見過ごしてしまう・様子を見てしまう方もいると思います。しかし、放置したために動脈硬化が進行してしまい、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気を発症してしまい、お命にかかわることもあるため、放置することは一定のリスクがある事を知る必要があります。

ここでは、高脂血症について正しく理解して頂き、どのように対応したらよいか、どのような治療があるか、紹介致します。

1:脂質異常症とはどのような病気か

2:どんな人でリスクが高いのか

3:脂質異常症の対応・治療

4:まとめ

1:脂質異常症とはどのような病気か

血中の脂肪分の濃度の異常がある状態であり、主なものでは、高LDL(悪玉コレステロール)血症、高中性脂肪血症、低HDL(善玉コレステロール)血症があります。

原因としては食生活由来の生活習慣が原因のものが大半であり、コレステロールや飽和脂肪酸が多い肉の脂身・内臓・皮、乳製品や卵黄、トランス脂肪酸を含む菓子類・加工食品の摂取、糖質を多く含む菓子類・飲料が多い等の食生活や、運動習慣の不足等が原因となりやすいです。

生活習慣以外の原因で上昇することもあり、遺伝的な原因で生じる家族性高脂血症や甲状腺機能低下症による脂質異常症をきたすこともあります。

家族性高脂血症はヘテロ型の場合500人に1人と、比較的高い有病率であり、若年でも冠動脈・脳血管疾患のリスクが高くなる疾患です(ホモ接合体型はより重症度が高いですが、LDL500以上と桁が違うことが多く、家族歴等も濃厚のため診断は比較的容易です)。

そのため早い段階で治療が開始されることが多いです。家族性高脂血症(ヘテロ型)は、①高LDL-C血症(未治療時のLDL-C 180 mg/dL以上)、②腱黄色腫(手背・肘・膝などの腱黄色腫あるいはアキレス腱肥厚)・皮膚結節性黄色腫、③FHあるいは若年性冠動脈疾患の家族歴(2 親等以内の血族)の 3 つの項目のうち、2 項目以上が当てはまる場合に診断されます。

また、甲状腺機能低下症等が原因で脂質異常症が引き起こされることもあります。その場合、甲状腺の治療を行うことで脂質異常症も改善することがあるため、まずは甲状腺の治療が優先されます。

2:どんな人でリスクが高いか

脂質異常の状態が持続すると、数値の高低にかかわらず動脈硬化が進行しやすくなり、脳・心臓などの血管の病気(脳梗塞や心筋梗塞など)を起こしやすくなるため、注意が必要です。

特にLDLが高い場合は、動脈硬化性疾患の発症リスクが高くなる事が証明されており、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞等)がある二次予防の場合、糖尿病・腎臓病・脳梗塞(非心源性)・末梢血管疾患がある場合にはリスクが高くなります。

他、①喫煙、②高血圧、③低HDL、④耐糖能異常、⑤早発性冠動脈疾患家族歴(1親等かつ発症年齢男性55歳、女性60歳未満)はそれぞれリスク因子とされ、図の様に年齢とリスクの個数によって低~高リスクと判断されます。

3:脂質異常症の対応・治療

前述したリスク因子がある場合には、早めに近くのクリニック等で診察を受けることが推奨されます。

冠動脈疾患歴がある二次予防の場合には、薬物療法が早期に開始されることが多いです。

一次予防の場合には、まず生活習慣改善が指導されますが、LDLが180以上の場合には薬物治療の検討、家族性高脂血症・他の二次性脂質異常症の原因検索が検討されることが多いです。

薬物治療の有無にかかわらず、生活改善は必要となるため、下記主な生活習慣改善点をご紹介します。

薬物治療としては、LDL高値の場合にはスタチンの有用性が確立されているため第一選択となり、中性脂肪高値に対してはフィブラート系が処方されるケースが多いです。

薬剤選択はその方の合併症、病態等に応じて、選択されることになります。

主な薬剤の効果等は下図をご参照ください。

また、薬物治療をする上で、一度内服をすると永久に続けないといけないから、できるだけ使用したくない、という方を時々見かけます。

心筋梗塞後などの二次予防や、高リスクの場合は内服治療の継続が必要な場合も多いですが、低リスクの方であれば、薬物治療を開始したとしても、生活習慣の改善がうまくできれば内服が不要となることも多いですから、基本となる生活習慣の改善を頑張っていただき、過度に悲観的になる必要はないということを理解していただければと思います。

 

4:まとめ

脂質異常の指摘は比較的される方も多いため、病状・病態について正しく理解しておくことが大切になります。

症状を伴うことは基本的にはない病気ですが、動脈硬化を勧めてしまい、危険な脳や心臓の病気を引き起こしうる疾患ですので、早い段階からの生活習慣の改善等が非常に重要となります。

今回の記事を参考にしていただき、リスクになる要素がある方、どうしたらよいか判断に迷う方は一度病院の受診をご検討ください。

 

 

 

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