普段感じないような脈のずれや乱れ、脈が速い、拍動を強く感じる等の症状を動悸と言います。
これらの症状の原因は様々で、緊張や興奮、生理的な反応で一時的に自覚することもありますが、中には不整脈などの病気が原因で出現することもあるため、注意が必要です。
今回は動悸を感じたときにどのように考えて対応したらよいか、どんな動悸は緊急性が高いか、といった点をご説明します。
1:動悸とは?どんな状態?
脈が速い、脈のずれ・乱れ、鼓動を強く感じる、等の症状が「動悸」と表現されることが多いです。
人によって感じ方は違うため、まずはご自分が感じている動悸がどんな症状なのかを確認してください。
2:どんな原因があるの?
動悸の原因としては、すぐに思いつくものとしては不整脈があるでしょう。
しかしそれだけでなく、貧血や甲状腺ホルモン(代謝を活発にするホルモン)が多くなる状態、痛みやストレス、緊張、不安など様々な状態が原因となることがあります。
3:どのように対応すればよい?
ご自分で最初にやるべきこととしては、「自分の脈を触ってみる」ことが重要です。
脈を測る方法としては、手のひらを上にして、人差し指の延長線上の手首に、人差し指・中指・薬指の3指を使用して脈を触ってみてください。その際、一番感覚が鋭い指の腹部分で測定すると脈を感じやすくなります。脈を触りやすい場所は人によって多少差があるので、触りにくいときには少しずらす、強めに押し付けるなどしてみると良いと思います。
動悸を感じていないときにも、脈を触る練習をしておくと、症状が出たときに慌てないで済みます。
脈が触れたら、
①時計を見ながら1分間の脈を測定し、1分間の脈拍が何回か
②脈のリズムが一定か、リズムが乱れていないか(不規則になっていないか)
の2点を確認してみてください。
不整脈や甲状腺亢進症、貧血等が原因ですと、1分間に100回を超えるような頻脈傾向のこともありますし、リズムがおかしければ、それだけで不整脈の可能性が高いと判断することができます。
脈が乱れもなく頻脈もない状態であれば、不整脈や全身性の病気の可能性はかなり下がりますので、緊急性は高くないと判断することができます。
また、動悸が1日を通して持続するのか、発作的に出現するのか、という点でもある程度鑑別することができます。発作的に出現する場合には不整脈の可能性が高まり、持続性の場合には貧血や甲状腺亢進症等の全身性の疾患の可能性が上がります。
4:受診するタイミングは?
夜間や休日などでも、気が遠くなる・失神・胸痛を伴う・じっとしていられない位の動悸症状であれば、我慢せずに救急病院の受診や、自力で行けなければ救急要請を検討していただく必要があります。
そこまでではなくても、動悸の症状で日常生活が制限される・生活に支障が出る場合やこれまでなかった症状が出現してきた場合には、早めに受診していただくのが良いでしょう。
たまにあるけど困りはしない、位であれば都合が良いときに受診を考えてもらえばよいです。
5:まとめ
一般的な動悸症状に対する考え方をご紹介しましたが、症状が出現したときの脈の速さとリズムチェックだけでも行っていただけると、かなり大切な情報となるため診断に早くつながられることが多いです。
動悸の症状がある場合には、上記を参考として受診を検討していただけると、早期診断・治療につなげることができますので、症状がある方はぜひ参考としてみてください。